かつてATG映画というものがあった。1960年代後半から90年代の初頭までつづき、1000万円映画と言われた。作家の芸術性を重視して、低予算だがクオリティの高いものをつくっていた。また角川春樹氏が始めた所謂角川映画は、1976年から1992年までの娯楽性とメディアミックスを主としたお金をかけた映画群があった。それからもうひとつ重要な日本映画のシーンがあった。それは、1984年から1997年にかけてつくられた個人で社会性と娯楽性をドッキングさせた伊丹十三映画というものであった。
そこで夕焼け劇場は、内容は伊丹映画の要素である社会性と娯楽性を加味した、客の呼べる映画館の中でワクワクする胸躍る映画をめざす。ただATGのように1000万円から1億円までの予算規模で低予算で面白い映画をつくる。そのためにもう一つの柱は、シナリオである。まず卓越して独創性のある脚本が最優先にされるべきである。
そしてこの映画レーベルからは、角川映画や各撮影所がかつて担ってきた自社製のアイドルやスター、また新進の監督や脚本家を排出していくことも大きな命題として考えています。たとえば年二本とか四本という連続した制作体制がそのためには必須であるということを明記しておかなければならない。
この低予算で娯楽性と独創性とのテーマを共有できれば、どこの会社がつくってもいいし、どの監督がつくってもいい。配給も共鳴してくれる媒体があればその都度選択していっても構わない。最終的このレーベルがひとつの組織として変遷していくこともあれば、伊丹さんのように個人レーベルに終わることになるかもしれない。これは野心でなく単純に「面白い映画をつくり、観せたい」ということが本来の目論見であるから、一本でも面白く記憶に残る映画が生産されることを切に願ってやまないのである。
(監督:田中じゅうこう)
天才的な技能を駆使し、古い家電からロボットまで修理を請け負う工房で働く
16歳の倫太郎。孤児として育った彼は、高校を中退しバイトをしながら深夜独学でロボットの勉強をしていた。そんな中、東京でひとり暮らし中の老婦人からAIBOの修正依頼が倫太郎に舞い込む。
亡き息子が遺したと言うAIBOは、音声装置とメモリーが壊れていた。
時を同じくして、倫太郎は発声障害のある14歳の少女すずめと出会う。
すぐに仲良くなったふたりは、依頼品のAIBOと共に20年ぶりに復活した榛名湖のダイダラ祭りへと向かう。湖には「甦りの伝説」があり、願いが叶うと亡くなった人が甦るという。その帰り道、AIBOがとある録画映像を映し出したことで、倫太郎も知らなかった過去が明らかとなっていく―――。
2003年生まれ/神奈川県出身。
TV大河ドラマ『平清盛』牛若丸役、『水戸黄門最終回スペシヤル』など幼い時から雜誌、テレビに出演。映画『ロックわんこの島』('11/中江功監督)では、300 人を超えるオーディションで主人公の男の子役に抜擢。主な出演作に、映画『呪怨 黒い少女』('09/安里麻里監督)、『猿ロック』('10/前田哲監督)、『MONSTERS』('14/中田秀夫監督)、『最後の命』('14/松本准平監督)、などがある。2020年、『ロボット修理人のAi(愛)』で、ブータンのドゥルク国際映画祭で最優秀主演男優賞、カンヌ世界映画祭で優秀若手男優賞(best young actor)を受賞した。
2004年生まれ/東京都出身。セルフプロデュースユニット、AnemOneのメンバーとして活躍(現在は、活動休止)。2018年、舞台「清らかな水のように」に出演。100人のオーディションからすずめ役に抜擢された新星。
1965年生まれ/群馬県出身。フジテレビの人気番組「ボキャブラ天国」シリーズで、ギターを弾きながら他の芸人や司会・審査員をネタにして替え歌で人気を博し、キャッチフレーズの「地獄のスナフキン」としても知られている。ボキャブラ以外でも、放送できないようなブラックネタや下ネタなどジャンルは多彩に渡り、現在でもネタのレベルの完成度は評価が高い。同時期に活躍したお笑い芸人として爆笑問題やガレッジセールなどがいる。現在はミュージシャンや声優業が中心となっているが、近年はお笑い芸人としての活動も再開している。月1回のペースで新ネタを作って動画上で公開したり、関西テレビ主催のピン芸人日本一決定戦「R-1ぐらんぷり」に連年エントリーしていることを自身のツイッターで明かしている。アニメ「けいおん!!」では山中さわ子の恩師である堀込先生役で出演したことが話題になった。
1958年生まれ/東京都出身。1976年、寺山修司作・演出による「中国の不思議な役人」で舞台デビュー。1978年『星空のマリオネット』で映画デビュー。1980年に第1回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。日活ロマンポルノで注目を浴び、映画、テレビ、舞台にと個性派女優として活躍を続ける。
東京都出身。NTV「青春とはなんだ」14歳時、最年少生徒役として本格的に女優デビュー。1975年「俺たちの旅」では食堂の看板娘・奈美役で人気を博す。女優のみならず、声優、歌手、また日舞坂東流名取としても活躍。2013年より現在、年間新作主演舞台4本出演。2016年「東久邇宮文化褒賞」を受賞。2021年5月「パットオースチン」リリース。
1931年生まれ/兵庫県出身。喜劇俳優。大久保怜に弟子入りし、1957年、大阪・北野劇場でコメディアンデビュー。オロナミンCのCMで一世を風靡した。舞台出演の他、映画やTVドラマのバイプレイヤーとして幅広い役柄をこなす。近年は『子育て』『高齢社会の幸福論や健康』などをテーマにした講師としても高い評価を得ている。
1940年生まれ/東京都出身。1958年、新東宝に入社し、映画『坊ちゃん天国』でデビュー。テレビや映画、舞台など幅広く活躍。ドラマ『忍ぶ川』で日本放送作家協会女性演技賞を受賞。ドラマ『愛と死をみつめて』で注目を集める。90年の舞台「人生はカタコト列車に乗って...」では、第15回菊田一夫演劇賞を受賞した。
1958年生まれ/長崎県出身。コント「Wコミック」七代目として寄席芸人を経て、俳優業へ。ドラマ「ナッキーはつむじ風」映画「ええじゃないか」「道しるべ」など。喜劇俳優を名乗る数少ない役者。
大阪府出身。1979年、 「全国アマチュアフォークコンテスト」 中部北陸大会優勝。1981年、名古屋で深夜放送のDJを始める。CX「早春スケッチブック」(1983)で俳優デビュー後、映画は「水の旅人」「スパイ・ゾルゲ」「世界の中心で、愛をさけぶ」「リップヴァンウィンクルの花嫁」等160本以上に出演。2012年、音楽活動を再開。ラジオDJとしては今秋、40周年を迎える。
東京都出身。1978年「ナッキーはつむじ風」(TBS)で主人公の姉役でデビュー。その後テレビ・ドラマに多数出演。特に「牟田刑事官」(ANB・土曜ワイド劇場)では、小林桂樹氏の娘役を18年間務めた。
1984年生まれ/東京都出身。大学在学中に俳優デビュー。TOKYO MX開局初連続ドラマ「えにしの記憶」、テレビ朝日『遺留捜査 第2シリーズ』にレギュラー出演。 舞台では「銀河英雄伝説」('14、'15)のほか、「靖国への帰還」('14、'18)では数百人の中からオーディションで主人公に抜擢され出演。近年では《Alexandrite Stage》の代表としてプロデューサー・演出家としても活動。
1978年生まれ/大阪芸大卒。初舞台は、劇団野鳩「なんとなくクレアラシル」。群馬をベースに活動。今回映画初挑戦。
1955年生まれ/福岡県出身。新藤兼人に師事。1988年『ばってんモザイク』でATG脚本賞特別奨励賞受賞、その後数々の映画やドラマを演出。2011年記録映画『ムーランルージュの青春』で注目を浴び、2015年には園まり30年ぶりの映画出演となった『道しるべ』を手掛ける。
1955年生まれ/愛媛県出身、1977年福岡工業大学卒業後ソニー関連会社入社し、クウェイト、パキスタン、サウジアラビア、インドなど海外駐在し、現地でのサービス網の構築、技術指導。1989年にソニー株式会社へ転籍 海外赴任を経る。1999年より国内勤務、ワールドリペアーセンターにて海外への補修部品の地峡、ソニーCSにて国内修理部門を担当「ソニービンテージ部門設立」。2011年にソニー退社後、ソニー製品のメンテナンスを主業務とする。株式会社ア・ファン設立、AV機器等のメンテナンスとあわせて、旧AIBOの修理や合同葬にも取り組み実施している。